同じ講座の宇都宮咲子先生と。仕事はもちろん、同世代の子どもを持つ母として、悩みを共有し励まし合っています。左側が今岡先生です。
島根大学医学部看護学科卒業後、看護師、自治体保健師として勤務、2020年島根大学大学院医学系研究科看護学専攻博士前期課程修了。2021年より現職。
「看護職の新たな魅力を発見し、学生と一緒に学び、自分自身も成長したい。」
そんな気持ちで教員となりました。これまで看護師を6年、保健師を3年経験してきました。その中で様々な方と出会い、その経験を今後の看護に活かすために振り返りを重ねてきました。事例検討や保健活動の評価などで実践の振り返りを行うと、出来なかったところに目が行きがちですが、様々な人との出会いや経験を重ねるたびに自身の成長も実感していました。そのため、教員となった今も学生と実習や演習を通して一緒に学び、育ち合いたいと思いながら学生と関わっています。
私は、対象者一人ひとりの生活に思いを馳せること、それを踏まえた支援を対象者とともに考えることの大切さを伝えたいと思っています。
本学では1年次生の時に、大学周辺の地区に1週間実習へ行きます。この実習はその地区の活動に参加することや、住民の皆さんとのコミュニケーションを通して、地区の歴史や文化、人々の生活や価値観を知り、それらと健康との関連を考えることを目的としています。
これまで自分・家族やその周りの人たちを中心に生活してきた学生にとって、初めての土地で様々な住民の皆さんの生活に触れることは、人々の生活や価値観の多様性を実感できる貴重な経験や学びとなっています。
学生が独居高齢者の方とお話をさせていただいた際、週に数回近所の方が家でとれた野菜をもってお話をしに来られること、庭の花壇を整えることがその方の生きがいになっていることなど、対象者の生活を具体的に伺い、学生は対象者の生活における楽しみや生きがいだけでなく、その地区の人々のつながりの強さも感じていました。
この実習によって学生は、対象者一人ひとりの人生の物語を知ろうとすることは、対象者に必要な支援を具体的に捉えるヒントになること、そしてそれは対象者に寄り添った看護につながることに気づくことができました。このように、学生が新たな気づきや学びを重ねていくことができるよう、学生と関わっていきたいと思っています。
教員となって3年が経過しましたが、学生との関わりや伝え方など試行錯誤の日々を送っています。これからも学生教育を通してたくさんの方と出会い、学生とともに学び、看護について考える機会を重ね、成長していきたいと思います。